大家の味方のブログ│不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

大家の味方のブログ

2040年から見る大阪(人口増加エリア、減少エリア)

      2016/10/03

前回に引き続き、国立社会保障・人口問題研究所が発表した、日本の地域別将来推計人口のデータをもとに、2040年における大阪府の人口推移を検証してみたいと思います。

 

大阪府の人口は、大幅に減る!

2010年における大阪府の総人口は8,856,245人ですが、これが30年後の2040年になるとおよそ84%の7,453,526人と、なんと140万人も減少するとの予想がされています。日本全体が人口減少していくため、この動きは決して不思議ではありませんが、不動産投資をする上でポイントとなるのは、大阪府内での総人口に占める地域ごとの人口割合です。

 

特に、2010年の人口から増加すると予想されているエリアについては、今後不動産投資をする上で非常に注目の場所となります。では、人口が減少する予定の大阪府の中でも、依然として人口が増え続ける魅力的なエリアはどこなのでしょうか。また、最も人口減少が激しいとされる投資に厳しいエリアとは一体どこなのでしょうか。

 

その1:減少率ランキング

第1位:大阪市西成区 54.4

非常に深刻な結果となったのが、大阪市西成区です。データによると2040年にはなんと現在の12万人の人口が、およそ半分の6万6千人まで減少するとの予測がされています。西成区は大阪市の中でもやや南よりに位置する地域で、閑静な住宅街と工場が混在するいわば大阪の下町といった雰囲気の場所です。

ただ、バブル崩壊後は、区内での就職先が大きく減ったため、一時期はホームレスが急増したそうです。

第2位:能勢町 54.4

減少率では大阪市西成区と同じですが、こちらは町のため2位とさせて頂きました。能勢町は大阪府の最北にあり、山林や田畑が多いのどかな地域です。その特徴から「大阪の軽井沢」なんて呼ばれることもあるそうですが、峠が交通の便を悪くしているため、今現在の人口もおよそ1万人程度です。これが2040年にはそのおよそ半分の6千人近くにまで減少するとの予測がされており、ますます過疎化が進むと考えられています。

また、その他で人口減少が激しかった地域としては大阪市内の場合、大正区(69)、住之江区(74.8)があります。

大正区は、海沿いにある地域で、区内には鉄道がほとんど整備されていません。唯一の大正駅も北の端にあるだけで、居住環境としては今後もあまり期待できないということでしょう。また住之江区も同じく海沿いの地域であり、今後大阪府における不動産投資では海沿いの地域は警戒した方が良いのかもしれません。

 

その2:増加率ランキング

第1位:大阪市北区 110.4

実は、大阪府内において2040年においてその人口が増加していると予想されている自治体は、なんと5つしかありません。その中でも最も増加率が高かったのが大阪市北区です。

北区は2010年の110,392人から2040年には121,925人までおよそ1万人以上も増加するとの予想がされている、大阪府においては非常に注目のエリアです。

 

北区は大阪府の中央やや北側に位置しており、全国屈指の繁華街「梅田」があることでも知られています。また、繁華街だけではなく、超高層ビルなど関西のビジネスの中心地ともなっており、東京都でいうところの中央区に近いようなイメージです。また、交通の便についても、JR線、阪神線、阪急線など複数の路線が利用できるため、生活をするうえで非常に便利な地域であることは間違いないでしょう。

今後関西地区での不動産投資を検討している人は、この大阪市北区は第一に検討するべきと言っても過言ではないでしょう。

 

第2位:大阪市天王寺区 109.3

天王寺区は大阪市24区の中でも、その人口は比較的少なく2010年の段階でおよそ7万人ですが、2040年にはここからさらに6,000人程度増加すると予想されています。天王寺区は関西屈指の商業地域として知られており、一昔前は地価の高騰により人口が減少していましたが、近年ではその地価が下落したことと再開発が進んだことで、再度また、注目されているエリアです。

 

第3位:大阪市西区 107.4

西区は近年高層住宅地として大規模な再開発がされたエリアで、その人口が急増しています。マンションなど比較的新しい住宅が多いため、2040年になっても維持できるタイプの建物も多く、今後人口が減少する可能性は低いと考えられます。また、老年人口の比率が大阪市内で最も低いことでも知られています。

 

その他には、鶴見区、田尻町となっています。ただ、いずれも大幅な増加というよりは今後減少しないエリアと受け取った方が良いかもしれません。

 

今後の大阪府の人口変動の傾向は? 

大阪府の人口はほぼ間違いなく減少していくでしょう。そんな中、今後の賃貸需要を予測する上で、人口が増加すると予想されている北区、天王寺区、西区などについては、関西において不動産投資を計画する際には、必ず視野に入れておくべきでしょう。現状、人口が多い、淀川区や平野区については、今後人口が1割程度減少すると考えられていますので、需要と供給のバランスを考えると、総人口よりも人口増加率を参考に判断することをお勧めします。

大阪のような都心部であれば、人口が減っていっても1割程度のエリアであれば、物件を選別すればキャッシュフロー投資が可能と思いますが、西成区のように半分にまで落ち込むエリアは、さすがに危険なエリアとなっているでしょう。それ以外であれば、人口減少=不動産投資が危険と単純に考えるだけでなく、今後キャッシュフロー投資が地方から都心部でもできるようになると前向きに捉える発想の転換が必要です。

 - ブログ