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2040年から見る名古屋(人口増加エリア、減少エリア)

      2016/10/04

前回に引き続き、国立社会保障・人口問題研究所が発表した、日本の地域別将来推計人口のデータをもとに、2040年における名古屋の人口推移を検証してみたいと思います。

 

愛知県の人口は名古屋の人口に比例する

名古屋市の人口は、愛知県全体の人口のおよそ30%を占めており、名古屋市の人口変動は愛知県そのものの人口変動と言っても過言ではないほど大きく影響します。このことは、予測数値の上でも明らかです。

愛知県の人口変動:2010年 7,410,719人 2040年 6,855,632人 減少率92.5

名古屋市の人口変動:2010年 2,263,894人 2040年 2,088,107人 減少率92.2

 

このように、愛知県の人口変動は名古屋市の人口変動とほぼ一致しています。それだけ愛知県において名古屋市は、非常に重要な存在なのです。では、そんな名古屋市内の16区において、今後の不動産投資にける「安泰エリア」と「厳しいエリア」を見ていきましょう。

 

その1:減少率ランキング

第1位:名古屋市南区 78.3

名古屋市において人口減少率が唯一70台まで落ち込むと予想されているのが南区です。南区は名古屋市の一番南にある地域で古くから町工場と住宅地、商業地が混在しているエリアでしたが、ここ数年では人口が減少しています。

 

その一つの要因となったのが、2000年に起こった三菱自動車工業大江工場の閉鎖です。これにより、工場で雇用されていた人はもちろんのこと、関連する下請け企業についても影響を受け、これを発端として南区の工業は徐々に衰退の一途をたどっている状況です。なお、交通の便については、複数の路線が通っているが、名古屋駅や栄駅のような中心となるターミナル駅がないため、どうしても人口が増えにくいエリアとなっているようです。

 

第2位:名古屋市港区 82.0

港区はその名の通り、名古屋市で唯一伊勢湾に面している地域であり、面積の一部には名古屋港や埠頭が含まれています。港区の特徴は大きく次の2つに分類できます。

1:工業地帯:港区の埠頭の全ては、中京工業地帯となっており、企業関係者以外の一般の人が住まない傾向にあります。

 

2:商業、娯楽エリア:港区には名古屋最大の商業エリアといわれる巨大ショッピングセンターがあるなど、商業が盛んな地域であり、住む場所というよりも遊びに行く場所というイメージの方が強いかもしれません。

このように、南区、港区ともに伊勢湾に近いエリアであり、名古屋市の人口については、これら中京工業地帯等の近郊を中心に今後大きく減少する可能性が高いため、不動産投資においては「厳しいエリア」と言わざるを得ないでしょう。

 

その2:増加率ランキング

名古屋市において今後人口が増加すると予想されているエリアは、なんと次の2つしかありません。よって、名古屋で不動産投資を検討する際には、この2つのエリアは絶対に外せないため、必ず覚えておきましょう。

 

第1位:名古屋市緑区 107.2

緑区は名古屋市に2つしかない人口20万人超えの非常に規模の大きな自治体であり、最も人口が多い区ですが、今後その人口はさらに増加するとの予測が出ています。具体的には2010年に229,592人だった人口が、2040年には246,038人となんと2万人近く増加すると予想されています。

 

緑区は名古屋市の南にありますが、昭和時代に行われた土地区画整理事業によって、大規模な再開発がされたためこれ以降人口は大きく増加したと言われています。また、緑区はその名の通り公園を始めとする緑地が多く、住環境も良好です。

 

第2位:名古屋市守山区 102.4

もう一箇所人口が増加するとみられているのが守山区です。守山区は緑区とは真逆の名古屋市の北の端にあります。守山区は比較的山間部が近いこともあり、名古屋市内としては自然豊かで住環境が良いことでも知られています。そのため、名古屋市内の中でも比較的土地区画整理による宅地開発が進んでおり、人口が増加傾向にあります。

 

また、交通の便についても地下鉄こそ乗り入れがないものの、名古屋鉄道瀬戸線とゆとりーとラインが東西南北に走っているため、それなりの利便性もあります。

 

名古屋駅や栄駅周辺はどうなる?

では、新幹線の停車駅である名古屋駅がある中村区や、名古屋一の繁華街がある中区の栄駅あたりの人口はどうなるのでしょうか。結論から言うと、中村区で現状から約2万人程度、中区で5千人程度の減少が予想されています。今後も繁華街であることに変わりはないと思いますが、宅地開発が進んでいる緑区や守山区に比べると、今以上の上積みは見込めないのでしょう。

 

これからの名古屋は住環境重視か

東京都や大阪府については、都市機能の中心地である中央区や北区が人口増加という予測であるのに対し、名古屋については中心である名古屋駅や栄駅などの繁華街ではなく、市内の最北と最南で自然が多くて住環境が良い住宅地の方に今後人口が移動していくのではないでしょうか。

 

つまり、今後名古屋市内で不動産投資を検討する際には、特にインカムゲインを重視するのであれば、今後人口が増えると予想されている緑区や守山区などをターゲットとすると良いのではないでしょうか。

 

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