大家の味方のブログ│不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

大家の味方のブログ

2040年から見る福岡(人口増加エリア、減少エリア)

      2016/10/11

前回に引き続き、国立社会保障・人口問題研究所が発表した、日本の地域別将来推計人口のデータをもとに、2040年における福岡の人口推移を検証してみたいと思います。

 

福岡県は軒並み人口減少の傾向も、、、

福岡県内の人口変動を市別に見てみると、2040年にかけてなんとほぼ全ての市において人口が減少するという結果が出ています。唯一、人口が減少しないとされている市は、太宰府市だけで、それもわずか101.1というほぼ現状と横ばいという予想であり、市別に見た場合はどこも緩やかに減少していく可能性が高いようです。

 

ちなみに、福岡県全体で見た場合は、2010年の段階で507万人でしたが30年後の2040年には437万人とおよそ70万人も減少すると予想されています。現状の福岡市における人口はおよそ150万人ですので、今後30年かけて福岡市の半分に相当する人口が福岡県からいなくなるという計算になります。そう考えると、今後福岡県において不動産投資をする場合は、より賃貸需要が高いエリアを意識して物件を仕入れることが重要となるでしょう。

 

では、県庁所在地である福岡市内の7つの行政区において、今後「厳しいエリア」と「安泰なエリア」について、推計人口を分析しながら解説したいと思います。

 

その1:減少率ランキング

第1位:福岡市南区 89.2

福岡市内の推計人口は、市内全体でみると98.3ですが、地域によって人口変動に格差が生じる可能性が高いようです。その中で最も人口が減ると予想されているのが、福岡市南区です。南区はその名の通り福岡県の南に位置しており、その人口は現時点で約24万人と福岡市内では東区に次いで人口の多いエリアとなっています。

 

南区は以前三宅村、日佐村という別の自治体で水田が多い集落として栄えていましたが、その後、福岡市に編入され、それに加え福岡市の人口増加により、その住宅地として栄えた南区は比例して人口が増えていったのです。けれども、今後についてはこれまでのような人口増加は期待できず、緩やかに減少していくとみられています。

 

第2位:福岡市早良区 91.7

南区の次に人口減少が予想されているのが、福岡市早良区(さわらく)です。早良区はもともと西区という区画でしたが、1982年に早良区、西区、城南区に分割されて今に至ります。

 

地下鉄や高速道路が整備されているため、交通の便は良いのですが、早良区は面積が比較的広く、一部は市街化調整区域(市街化を抑制する区域)となっているなど、宅地化が進んでいないという一面もあります。ですが、今後については福岡県の人口減少とともに早良区の人口も減っていくと予想されています。

 

なお、福岡市で最も人口の多い東区(29万人)についても、実は95.0と2040年には2万人弱も減少するとの予想がされています。東区は福岡市最大のベッドタウンとも言われており、住宅地が多いほか、再開発が進んでいたエリアでもあります。総人口自体は多く高層マンションも立ち並んでいますが、今後はこれ以上の人口増加は期待できないようです。

 

その2:増加率ランキング

福岡市全体の人口が減少する中、人口が増加すると予想されている地域が2か所だけあります。

 

第1位:福岡市西区 112.3

福岡市で驚異的な頑張りを見せているのが西区です。西区は2010年の段階で人口は約19万人と20万人に満たない規模でしたが、2040年には21万人を超えると予想されています。西区は中洲や天神のような歓楽街はありませんが、市街地や住宅地を堅実に増やしており、また横長な地形に対して交通網が東西に繋がっているため、比較的交通の便も良いようです。

 

また、南東部についてはまだ開発が進んでいないエリアもあることから、今後それらの宅地化、市街化が進めば予想通り人口が増加するでしょう。

 

第2位:福岡市博多区 108.9

やはり福岡と言えば博多です。博多区の人口は福岡市全体が減少する中、2010年の21万人から2万人程度増加すると予想されています。博多区には県庁があり、福岡市内の交通の中心となっています。特に、博多川周辺の地区は「中洲」と呼ばれ観光客にも大人気の繁華街となっています。

 

また、博多駅は近年建て替えられ、周辺にも大型ショッピングモールができたため、さらに住みやすい街へと進化しました。交通の便、住環境どちらも揃っている博多区は、今後の福岡における不動産投資のポイントとなるでしょう。

 

福岡市以外の人口はどうなる?

福岡市以外の自治体の中では、人口が多い北九州市でも80.3とおよそ20万人規模の人口減少が予想されています。その他にも太宰府市以外の市で軒並み高い減少率を示しています。そのことから考えると、今後の福岡県内における不動産投資の中心は、福岡市内の西区と博多区を中心に検討せざるを得ないでしょう。

 

福岡県は郊外のベッドタウンが強い!?

ちなみに、福岡県内において最も今後の人口が増加すると予想されているのが、粕屋町です。粕屋町は2010年における人口は4万人程度の小さな自治体ですが、2040年には5万4千人にまで上昇するとみられています。

 

この粕屋町はもともと福岡市のベッドタウンとしての開発がされており、福岡市からの転入者も多いそうです。近年では郊外に巨大なショッピング施設などもでき始めており、今後さらに住みやすくなるでしょう。このように、福岡県はすでに栄えている福岡市や北九州市よりも、それらのベッドタウンとして着実に人口を増やして開発を進めてきたベッドタウンが、今後もコツコツ人口を積み上げていくのかもしれません。

 

不動産投資として見た場合は

不動産投資として見た場合、人口が伸びると想定されている博多区でも新築の供給過剰が問題となっています。ワンルームに関しては供給過剰となっているエリアもあるため、投資として見た場合、人口の増減だけでなく、やはりそのエリアの賃貸需給をよく確認することも重要です。長い目で見れば、大きく人口が減っていくエリアに投資するのは非常に危険ですが、短期間で賃貸の需給の方がより影響度が大きいからです。

 - ブログ