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投資用1棟マンションの高騰はいつまで続くのか

      2016/11/11

不動産投資家であれば、必ず知っている「楽待」を運営する株式会社ファーストロジックより物件統計レポートが発表されました。

http://www.firstlogic.co.jp/wp-content/uploads/2016/06/firstlogic_press_201606.pdf

発表のタイトルにもあるように、「投資用一棟マンションの表面利回りが過去最低を更新」となっています。表面利回りが下がるということは、投資用1棟マンションの価格が上がっている傾向があるということになります。アベノミクス以来、投資用1棟マンション価格は、利回り低下=価格上昇が、ずっと続いていることになります。

アベノミクスで何をやったかといえば、日銀の大規模な金融緩和です。銀行の貸出が増えるようにあらゆる策を打った結果、もっとも担保力のある不動産への融資が、急拡大していったという、いままでの歴史通り(平成バブル等)の展開になっています。銀行は、担保力のある融資以外に、積極的に融資するノウハウがなく、自然と不動産への融資が伸びるのは当然の帰結です。

金利低下した恩恵を受け、長期融資が受けやすくキャッシュフローが出やすい1棟マンション投資が、不動産投資家の中で人気となっています。融資を受けて、数棟購入したという方も多くいます。

そして、この不動産価格が決まる理由は、景気の良し悪しではないところが面白いところです。ずばりいうと「金融が緩和しているかどうか」で不動産価格は決まります。

金融が緩和➜不動産融資拡大➜物件価格が上昇

金融が引き締め➜不動産融資ストップ➜物件価格が下落

となります。

つまり、景気が大幅によくなったという感覚がなくても、金融緩和を大規模に実施すると、物件価格が上がることになるのです。みなさんの中にも、実際に家賃が上昇したという話は聞かないでしょう。実は、総務省統計局の平成25年度の調査結果によると、不動産の空室は、800万戸もあり、空き家は13%を超えています。家賃が上昇しない中でも、物件価格が上昇し利回りは低下するのですが、そこに銀行は大量に貸付をしているから、価格上昇が止まらない状況が続いています。

最近の価格上昇は、少し行き過ぎてきていると、私は感じています。不動産投資の初めての方が、借入金利1%で不動産投資を始めることができるというのも、今しかないことでしょう。これ以上の金利低下は、考えにくいとすると、今後は金利が上がる方向にしかいかないのですが、今の借入金利をベースにしていると、いつか金利が高騰すると、破綻してしまうのでないかと危惧してしまいます。

このような大規模な金融緩和はいつまで続くのでしょうか。

反対にいえば、日銀が、大規模緩和を止めるがあれば、物件価格は下落に転じるといえます。将来のことは誰にもわかりませんが、日銀が大規模な緩和を辞めるとしたら、どのようなタイミングになるか、少しづつ考え始めておかないと痛い目に遭う確率が高まっています。

アベノミクスを主導している安部首相と日銀の黒田総裁が、在任期間中は、大規模な緩和を止めることはない、というよりは、止められないでしょう。しかし、黒田総裁の退任時期の2018年4月になると、変化する可能性があります。

オリンピックまでは行けるとアクセルを踏み込んでいる投資家は多いですが、ひとつのタイミングとしては、2018年の春になるでしょう。次の日銀総裁が、金融緩和に否定的であれば、物件価格が下落に転じるサインになるかもしれません。

不動産投資家は、今のマーケットが十分に高騰しているということは理解した上で、慎重に投資をしていく段階になりつつあるでしょう。

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